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登録日:2021/05/08 (土) 12 39 05 更新日:2024/06/15 Sat 00 45 20NEW! 所要時間:約 20 分で読めます ▽タグ一覧 2015年 アポロ・クリード クリード シルベスター・スタローン シルヴェスター・スタローン スピンオフ ボクシング映画 マイケル・B・ジョーダン ライアン・クーグラー ロッキー ロッキーシリーズ ワーナー・ブラザース 名作 映画 洋画 「 ロ ッ キ ー 」 新 章 、 始 ま る 。 俺は“過ち”じゃない。(I m not a mistake.) 『クリード チャンプを継ぐ男(原:CREED)』は、2015年11月25日に公開された米国映画。配給はワーナー・ブラザース映画。 ロッキーシリーズ(映画)の7作目で、シリーズでは初の“ロッキー以外の人物を主人公とする”外伝(スピンオフ)作品でもある。 日本での公開は2015年12月23日。 原案、監督は『フルートベール駅で』で注目された新鋭(当時)で、アカデミー賞6部門を受賞した「ブラックパンサー」を手掛けるライアン・クーグラー。 脚本はライアン・クーグラーとアーロン・コヴィントン。 主演はマイケル・B・ジョーダンとシルヴェスター・スタローン。 主演二人に続くポジションとなるヒロインをテッサ・トンプソンが演じている。 原題の『CREED』は、ロッキー最大のライバルであるアポロ・クリードのファミリーネームであると同時に、英語で信念、信条を意味する単語でもある……として、紹介されている。 【概要と評価】 老齢に差し掛かったロッキー最後の戦いを描いた『ファイナル』から、更に9年の後に帰って来た、まさかの『ロッキー』シリーズの続編にして、初のスピンオフ作品。 これまでのシリーズが、何れもスタローン自身の企画、原案、脚本により製作されてきたのに対し、本作では初めて製作会社であるメトロ・ゴールドウィン・メイヤーの主導によるスピンオフ企画としてスタートさせられ、新鋭のライアン・クーグラーを監督に、クーグラーとアーロン・コヴィントンを脚本に起用すると発表され、その後に順にメインキャストの起用と出演の決定が報じられていった。 作品としては、前作『ファイナル』の路線を継続してリアリティーを追及する方向に舵が取られ、撮影開始前から現役プロボクサーであるトニー・ベリューとアンドレ・ウォードの出演が報じられたことからもその方針が窺えた。 また、現役チャンピオン達は勿論、主演のマイケル・B・ジョーダンを初めとした役者陣も本物のトレーナーの指導の下で実際のボクシングのトレーニングを積んでから撮影に臨んでおり、その成果もあって鍛え上げられた“本物”の肉体にも注目である。 そうして公開された本作は、多くの批評家、観客から高い評価を受けた。 批評家の意見を要約すると、ロッキーシリーズ脅威の7ラウンド目とまで讃えられている。 シリーズでも最長となる上映時間でありながら、それを隙なく埋めて、それでいて本筋以外に話が飛んでも無駄と感じさせない濃密な人間ドラマと、本作に於いては段階を踏みながら描かれていく丹念なトレーニングシーン、リアリティーを意識した長回しによる白熱した試合映像……と、何れの要素でも手を抜かれていないという、シリーズ全体で見ても屈指の完成度を誇る作品となった。 前作『ファイナル』同様に、完全に過去作と齟齬が無い作りになっているとは言えないものの(*1)、新主人公を迎えるに辺り、オマージュ的な展開も多分に含まれているのも特徴。 また、シリーズでは結婚以前のロッキーとエイドリアン以来とも言える、アドニスとビアンカによる恋愛要素も主題の一つとして取り入れられており、更にそこに若い二人を見守る目として、やっぱり視聴者が最も注目する存在であろう、老境のロッキーの姿が重ねられていく。 前作『ファイナル』に続き、本作でも素晴らしい演技を見せたスタローンは、第73回ゴールデングローブ賞で助演男優賞を受賞、第88回アカデミー賞でも助演男優賞のノミネートを受けた。 そして、正に『ファイナル』以降の晩年に入ってからの目覚ましい活躍も含めて評価されたのか、かつての常連であり、過去には1980年代最低男優賞、及び20世紀最低男優賞を獲得したこともある第36回ゴールデンラズベリー賞にて、名誉挽回賞を受賞することになった。 ……2014年に創設されたばかりだった同賞は、スタローン以外にもラジー賞常連の面々が獲得している賞……ではあるものの、ラジー賞創設以来、最も扱き下ろされてきた俳優(断言)であったスタローンに贈られたのは快挙と呼べる。 実際、選評理由において挙げられた、回復された過去の不名誉の内容も“全期間を通してラジー賞におけるチャンピオン”であり、他の歴代受賞者とは文字通り格が違っていた中での受賞であった。 この他、名だたる映画賞にてスタローンの他にもジョーダン、トンプソンが受賞やノミネートの栄誉を受けている。 興行的にも大成功を収め、週末興行収入ランキング初登場第3位を記録。 『タイム』誌は、2015年度の映画トップ10の8位に本作を選出している。 これ等の好評を受け、2018年に続編となる『クリード 炎の宿敵』、2023年に『クリード 過去の逆襲』が製作、公開されている。 【物語】 とある施設にて、子供達による派手な喧嘩が起きた。 騒動の中心となってしまったアドニスは、最初は相手に馬乗りになられて殴られていた……と思いきや、巧みに相手のパンチをかわすと瞬く間に体勢を入れ替えて反撃。 滅多打ちにしていた所を職員達に抱えられて引き剥がされると、そのまま独房送りにされしまうのだった。 ……それから少し後のこと。 アドニスを訪ねて施設にやって来た、上品な身形の中年女性の姿があった。 独房にて、鉄格子を挟んでアドニスと面会した彼女の名はメアリー・アン。 メアリー・アンに問われ、喧嘩の原因が死別した母親をバカにされたことだったと話すアドニス。 それを聞いたメアリー・アンはアドニスの怒りの理由が孤独な環境にあると見抜くが、一方でアドニスが亡き母より父親の名を知らされていなかったことにも驚くのだった。 「自分の父親を知っているのか?」と聞いてくるアドニスに対し、彼の父親が自分の夫であった人だったと告白すると共に、自分に引き取られて「一緒に暮らさないか?」と提案するメアリー・アン。 父親の名を訪ねるアドニス。 アドニスの父…そして、メアリー・アンの夫の名は……。 それから、二十数年後のメキシコシティ。 控室で、たった一人でバンデージを巻くアドニスの姿があった。 今日の対戦相手と、そのマネージャーがアドニスを奇異な物でも見るように見ている。 リングでは対戦相手を素早いパンチで秒殺したアドニスだったが……その動きは重く、固い。 ──翌日、瀟洒なオフィスで仕事をしているネクタイ姿のアドニス。 拳を気にする素振りを見せつつもデスクに向かっていた彼だったが、意を決して上司の部屋へと向かうと一枚のメモを差し出す。 「出世したばかりなのに本気か?」 呆れたように見つめる上司に、気まずそうながらも「自分には向いていなかった」と答えるアドニス。 帰宅したアドニスを迎えたメアリー・アンは、夕食の支度をしながら、ついこの間の昇進を喜んでいる。 その様子を見たアドニスは、仕事を辞めてきてしまった事実を喜ぶ“母”に伝えられなくなってしまう。 夜、一人になったアドニスはYouTubeにアップされている、何度も見てきた古いボクシングの試合を再生する。 ──アポロ・クリードvsロッキー・バルボアの二度目のタイトルマッチ。 ……“父”が王座から陥落した試合を見ながら、堪らずにシャドーを始めるアドニス。 時は来たと確信し、地元(カリフォルニア州サンフランシスコ)にある顔馴染みのリトル・デュークがトレーナーを務める、アポロ・クリードの出身ジムであることを喧伝する名門デルフォイジムへと赴くアドニス。 リトル・デュークに自分と組んで王座を目指そう、実績は作ってきたと語るアドニスだったが、リトル・デュークは「メキシコで幾ら野良試合をやって来ても無意味」と言い放ち、アポロの息子であることを知っていても尚「お坊ちゃん育ちのお前には何も教えない」として拒否されてしまうのだった。 頑なに乗ってこようとしないリトル・デュークの態度に我慢が出来なくなったアドニスはリングに乱入すると、自らの所有する高級車のキーを賭けて挑戦してくる者は居ないのか?と煽る。 最初の挑戦者をヘビー級世界6位の実力者ながら得意のコンビネーションで沈めたアドニスは調子に乗って更に挑発を重ねるも、お灸を据える目的でリングに上がってきたジムの看板選手であるライトヘビー級世界1位のダニー・ウィーラーには、自身が持っていない“本物のボクシングの技術”で翻弄された上に、あっという間にKOされてしまうのだった。 こうして大恥をかかされたアドニスだったが、同時に現実を実感。 しかし、それでも挑まねばならない目標の為に、家に居られないと悟ったアドニスは、遂に“母”メアリー・アンに、自分が反対されていたボクサーとしての道を歩み始めていたことを報告しようとするが、アドニスがサングラスをかけていただけで、その下に殴られた跡があることを察したメアリー・アンは、まるで見知っていたかのように、これ迄のアドニスの行動を言い当て、その上で「自分が殴り殺してやりたい、アポロはそれで死んだのよ」と訴えるのだった。 それでも、自分の成すべきことの為に家を出るという“息子”に対し、母は「出ていくなら二度と連絡しないで」と言い放つのだった。 ……そして、アドニスが向かったのは合衆国を遥か横断した、ペンシルベニア州フィラデルフィア。 そして、アドニスは自ら“彼”の経営するレストランの閉店後に会いに行く。 “父”の名を知ると同時にその名を知り、そして“父”の背中と同じく、その背中を追い続けてきた伝説のチャンピオンにして“英雄”……ロッキー・バルボアに自らを鍛えてくれるように頼むために。 【主な登場人物】 アドニス(ドニー)・ジョンソン(クリード) 演:マイケル・B・ジョーダン 本作の主人公。キル・モンガーじゃないよ。 愛称はドニー。 あの、アポロ・クリードがドラゴとの戦いの直前に遺していた愛人との子供で、アポロの死の後に誕生した。 そうした事情もあってか、実母はドニーに父親がどういった人物なのかといった情報を全く伝えていなかった模様。 早くに母親を亡くしたこともあり孤独に苛まれていたのか、施設の職員から根はいい子と評されつつも母を貶されたとして大暴れする等、精神的に未熟な面があり、これは引き取られた後にエリートと呼べる人生を歩み、大人になってからも完全には克服出来ていなかった。 メアリー・アンに引き取られてからは、愛人の子である自分を探し出してまで受け入れると申し出てくれた彼女に感謝し、育ての親として心の底から“母”と呼んで深い敬意と愛情を捧げている。 ……一方、習い覚える以前より自分に非凡な殴り合いのセンスがあるのを自覚していたのか喧嘩に強く、メアリー・アンとの出会いにより自分が“伝説的なチャンプ”であるアポロ・クリードの息子と知ってからは自然と父親の影を追うようになっていた。 表向きはアポロの死にトラウマを抱えるメアリー・アンに従い、ボクシングには関わっていないように見せつつも、一流企業に務める裏で国境を越えてはメキシコ入りして実績作りの為に試合を重ねていた。 ……しかし、いよいよ行動を起こす時と思い立って尋ねたデルフォイジムでは、大恥をかくと共にメキシコでの実績と自己流の技術だけでは本場では全く通じないと痛感。 これを機に、家を出て遠くフィラデルフィアで暮らす覚悟までして、父アポロの姿と共に映像の中で戦っているのを繰り返し見てきた、父の宿敵にして親友であったロッキーを訪ねることになる。 当初はロッキーからもコーチをすることを断られたものの、練習を見てもらえるようになったことで、渇望していた本物のボクシングの技術を習得していけるようになった。 更に、孤独に耐えつつ初めての一人暮らしを始めたアパートにてミュージシャン志望のビアンカと出会い、当初は騒音被害を訴えるという妙な間柄だったが、同じく夢に生きる彼女に急速に惹かれていくことになる。 ……尚、日常生活、そしてボクシングの試合では名前が先行しないように“クリード”姓は名乗らず、実母の姓である“ジョンソン”を名乗り目立たないようにしていたのだが、フィラデルフィアでは長年に渡り多くの選手が憧れると共に、コーチングを希望してきたが断り続けていたロッキーをコーチに付けたことで嫉妬され、それが米国でのデビュー戦後に素性がバラされることに繋がってしまった。 “ビッグネーム”に目を付けられた結果、確かに世界ランカーを倒したとはいえ新人も同然なのに、客寄せの為に収監を前にした世界王者リッキー・コンランとのタイトルマッチが組まれることになるが、それによって自分が予測していた以上の“クリード”の名のプレッシャーに直面していくことになり、更にはタイミング悪く“家族”として接していたつもりだったロッキーやビアンカとの行き違いまでが重なってしまい、遂には傷害事件まで起こしてしまう。 しかし、ロッキーとの“親子喧嘩”を経て和解すると二人三脚でタイトルマッチに向かう。 しかし、流石に無敗のチャンピオンは強く、食らい付いてはいくものの最終ラウンド前に限界を見てとったロッキーから「もう止めよう」と言われるが……。 ロッキー・バルボア 演:シルヴェスター・スタローン 言わずと知れた『ロッキー』シリーズの主人公であり、ボクシング界の伝説的な英雄として若い世代にまで名前を知られている存在。ラヴェンジャーズ言ってた人じゃないよ。 一方で、本人はというと『ファイナル』より10年近くが経過した本作では遂に老境を越えた姿となり、エイドリアンに続いて、義兄にして長年に渡りつるんできた悪友であるポーリーにも先立たれていた。 前作で息子ロバートとは和解を果たしているものの、ロバートの自主性を重んじて送り出した後は、相変わらずフィラデルフィアで寂しい一人暮らしを続けていた。 現在でも多くの人々から愛されている存在ではあるものの、ロッキー自身は相変わらずのシャイで奥手な性格ということもあってか、本当の意味で親しい友人も居ないという状況。 過去の苦い経験が原因かまでは明言されていないものの、自分の一度だけの復帰を除いては長年に渡りボクシング界……殊に後進の育成にはどんなに乞われても関わってこなかったらしく、自身のルーツである筈のミッキーのジムにも殆ど寄り付いていないという有り様であった。 予想外の出会いとなったアポロの息子であるドニーの願いであっても当初はトレーナーとなることを固辞していたものの、ミッキーのジムに通ったはいいが練習を見て貰えないという彼に対して練習メニューを作ってやったのをきっかけとして、本来の人情家と面倒見の良い性分、何よりも亡きアポロへの想いからか、反対に自らトレーナーとなることを申し出ることに。 因みに、ドニーからは「叔父貴」と呼ばれている。(*2) しかし、このことが思わぬ周囲からの注目と嫉妬を生むことになり、ロッキー自身は細心の注意を払っていたものの、レオ戦を前にドニーの素性を疑ったピートにバレると共に、試合後には何処からかメディアにリークされてしまうことに。 上記の様に暫く一人ぼっちで居たこともあってか、若いドニーとビアンカと知り合えたことを心の底から喜んでいたものの、ドニーに押し切られる形で受けたコンランとのタイトルマッチ決定の直後に突然の不調に襲われ、かつて最愛の妻エイドリアンの命を奪った癌に自らも冒されていることを知らされる。 それを知り、自分が支えるとまで言ってくれたドニーを一度は拒絶してしまうが、傷害事件を起こしてしまい留置所に入れられたドニーに会いに行って自分の非を認めると、ドニーが帰ってきてくれた後は自らも癌と戦うことを伝え、術後で化学療法を受けている動けない体でもトレーニングを見守った。 そして、遂に迎えたコンランとの試合の終盤、ドニーもまた自らの存在を証明するために戦っていたことを知り、最後のラウンドを激励と共に送り出す。 ビアンカ 演:テッサ・トンプソン 本作のヒロイン。ヴァルキリーじゃないよ。 フィラデルフィアでドニーが引っ越してきたアパートの下の階に住んでいた、プロ志望の若手ミュージシャン。 自宅に居る時には殆どの時間を作曲に当てているようで、夜明け前にはある理由もあってか大音量で音楽を鳴らしていた。 たまらず苦情を言いに行ったドニーを非を認めつつも追い返す気の強さを持つが、傍若無人な訳ではなく、進行性の難聴を患っており目標の実現を焦っているため。 実力が認め始められたばかりの新鋭のようで、その事実を知ったドニーから歩み寄る形で急速に親しくなっていく。 敢えて余裕の無い環境に自分を追い込もうとしていたビアンカにとってもドニーとの出会いはいい息抜きと刺激になったらしく、レオ戦までには試合に招きリングに上げる迄の仲になっていた。 一方で性格的に嘘が許せないらしく、ドニーが銅像が立つ程の有名人であるロッキーと親しいと知った時には驚きながらも流していたが、アポロ・クリードの息子であることをニュースで知るまで秘密にされていたことには腹を立てた。 ドニーの謝罪と過去の告白により、この件は理解すると共に許したものの、ドニーがロッキーとの蟠りを抱えた直後のタイミングとはいえ、自分を大きなハコに読んでくれた大物ミュージシャンと“クリード”の名前のことで殴り倒してしまった時には呆れ果て、謝罪に来たドニーからロッキーの病気の話を聞いても尚、閉め出したものの、ロッキーの計らいによりドニーの元へと戻る。 “プリティ”・リッキー・コンラン 演:アンソニー(トニー)・ベリュー 英国リヴァプール出身の、現在まで無敗の世界ライトヘビー級チャンピオンにして、札付きのワルでもあるという問題児。 ボクシングでの輝かしいキャリアの反面、絶頂期に在りながら銃の不法所持により7年の実刑判決を受けて収監予定となっており、最後に稼いでおきたいマネージャーのトミー・ホリデイ(演:グレアム・マクタヴィッシュ)からも収監前のビッグマッチを急かされているという状況。 ダニーとのタイトルマッチが決定していたが、会見の場で口論の末にダニーを素手で殴り顔面骨折に追い込んで試合を潰してしまっていた所に、トミーから新人同然ながら“クリード”の名が注目されロッキーと組んでいるドニーを挑戦者に迎えることを薦められ、渋々ながら受けることに。 大柄で口が悪く尊大だが、会見ではトミーからアイディアを聞かされた段階では「過去の人間」と罵っていたロッキー(やアポロ)のことを口が悪いながらも過去の業績を讃えている等、粗暴なだけの人物ではない。 実際、地元では今回のスキャンダルがありつつも英雄扱いであり、コンラン最後の試合になるかもしれないドニーとのタイトルマッチにも多くの観客が詰めかけていた。 当初はキャリアと体格差もありドニーを圧倒していたかに見えたが、アポロ譲りの才能と、ロッキー譲りの肉を斬らせて内に入り骨を断つ戦法により互角の攻防に持ち込まれていく。 苦しみつつも、終盤にダウンを奪った時には勝利を確信していたのだが……。 演じるトニー・ベリューは公開当時、本当に世界ライトヘビー級のタイトル圏内にいた程の現役プロボクサーにして、キックボクシングの経験もあった本物のファイターである。 ダニー・“スタントマン”・ウィーラー 演:アンドレ・ウォード ドニーが最初に国内デビューを決意して赴いた、地元にして父アポロの出身ジムにして、現在はリトル・デュークが主導しているデルフォイジムの看板選手で、ライトヘビー級世界1位の実力者。 乱入で調子に乗るドニーを諌めるべく2人目の挑戦者として名乗りを上げると、本物のプロの実力を見せつけてあっという間にKOした。 実刑判決が確定したコンランとの無敗同士による頂上対決が行われる運びとなっていたが、舌戦の末にコンランに殴られ負傷し中止になってしまうことに。 演じるアンドレ・ウォードも、公開当時の世界トップクラスのライトヘビー級の選手であり、幼少期の頃からボクシングの英才教育を施され、アテネ五輪で金メダル、プロに転向してからも無敗で現役を終え、パウンド・フォー・パウンドにも選出されている程の名選手である。 リトル・デューク 演:ウッド・ハリス アポロ・クリードのパートナー兼、専属トレーナーとして知られ、ミッキー亡き後のロッキーの指導も行い、ロッキー最後の戦いにも招聘された名トレーナーであったデュークの息子で、現在のデルフォイジムの代表。 そうした関係もあってか、以前よりドニーの素性を知っていた人物であり親しく話す仲でもあったものの、それ(アポロの最期を知る)故にか、ドニーが“お坊ちゃん”育ちをしていたとして、正式に組むこともジムで学ぼうとすることにも拒絶の意思を示した。 ピート・スポリーノ 演:リッチー・コスター 現在のミッキーのジム(*3)を任されているトレーナーで、ロッキーとも幼馴染みであり、親しいと自称する。 実際に、ロッキーもジムを代表するトレーナーとして名を挙げていることから信頼を置いている人物なのだろうが、現在は息子のレオにかかりっきりで練習を見てくれないことでドニーに不満をもたれてしまう。 悪気があった訳では無いものの、皮肉にもそれを伝え聞いたロッキーが自分はなかなか承諾して貰えなかったドニーのコーチに付く後押しをしてしまうことに。 口では平静を装いつつもロッキーが地元と縁もゆかりも無く、人種も違うのにロッキーを“叔父貴”と呼ぶドニーのコーチに付いたことを訝しんでおり、それがドニーとレオとの試合、更にはドニーの素性を知ることに繋がった。 ハッキリと描かれている訳ではないものの、レオ戦後にドニーがアポロの息子であることをリークしたのはピートだと思われる。 レオ・“ザ・ライオン”・スポリーノ 演:ガブリエル・ロサド ピートの実の息子で、世界ライトヘビー級4位の実績を誇る看板選手。 売り込みが大事な時期ということもあってか、ピートは現在でもジムの名声を支える存在であるロッキーに再三に渡りレオのコーチやマネージメントをしてくれることを要望していたが断られ続けてしまっていた所で後から来たドニーにその栄誉を奪われてしまうことに。 ピートの嫉妬もあってか、ドニーの国内デビュー戦の対戦相手となるも、反対にロッキーの指導の下で本物のプロボクシングの技術を身につけたドニーに2Rで強烈なコンビネーションを浴びせられてKO負けを喫してしまう。 メアリー・アン・クリード 演:フィリシア・ラシャド アポロ・クリードの妻で、ドラゴ戦で夫を失ってから数年の後に、アポロが別の女性との間に“息子”アドニスを遺していたことを知って、自ら赴いてまで手元に引き取る。 ロッキーとはアポロの葬儀の後には会う機会は無かったようだが、ロッキーはドニーから「いい弔辞だった」とメアリー・アンが言っていたと聞いてホッとしたような顔を見せていた。 騙されて財産を奪われたロッキーに対してアポロは相当な資産を遺したようで、超豪邸住みでドニーにも高等教育を施したようだが料理等は自分で用意する拘りも。 ドニーが既に物心ついてからの関係でありながらも親子の情愛は本物で、ドニーも表だってメアリー・アンに反抗したのは今回が初めてであったと思われる。 母親としての慈しみも厳しさも備えた賢い女性であり、薄々でも気づいていたのかは不明だが、ドニーが「仕事のこと」を切り出してきた瞬間にドニーが隠れて何をしてきたのかを看破した。 アポロのリング禍は勿論、それ以前より戦いの裏でどれ程にアポロが傷ついてきたのかを知っていることからもドニーがボクシングをやりたいと告白した時には全く賛同せずに突き放し、フィラデルフィアに行ってからも電話に出ることもしなかった。 一方、国内デビューの後にドニーが“アポロの愛人の息子”であることがメディアを通じてセンセーショナルに広まり、ドニーがそのプレッシャーに晒されて悩んでいるであろうことを理解していても尚も沈黙を続けていたが、ロッキーにも黙ってコンランとのタイトル戦を前に“CREED”と“JOHNSON”の両方の名前を入れたアポロのトレードマークであった星条旗柄のトランクスに「あなたの伝説を作って」のメッセージを添えて贈り、TVを通じて“自慢の息子”の勝利を願う。 観戦中には、あれだけボクシングを恐れていたにもかかわらず、ドニーの活躍に全身で喜びを見せるお茶目な一面も。 追記修正は胸を張って自己証明してからお願いします。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] 2まで見たけどやっぱり旧作キャラありきって感じが否めなかった -- 名無しさん (2021-05-08 19 08 09) 比較的最近の映画だと思ってたけど、なんだかんだべリューやウォードが現役だった頃の映画か…… -- 名無しさん (2021-05-08 19 39 07) 旧作ありきでいいじゃないのよ。いい映画よ -- 名無しさん (2021-05-08 19 59 12) 一歩のリカルドのイメージがあったからメキシコのボクシングがレベルが低いって演出が直ぐには納得できなかったけど、リアルでもそうなの? -- 名無しさん (2022-07-19 13 12 09) メキシコは中量級は強いけどこの作品の舞台であるヘビーだとうーん、ってイメージはあるかな -- 名無しさん (2022-09-29 12 23 18) 名前 コメント
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アサシン クリード 公式サイト http //www.ubisoft.co.jp/assassinscreed/ 発売元 ユービーアイソフト 発売日 2007/11/29 ジャンル アクション レーティング CERO Z 18歳以上 アサシン クリードIII 公式サイト http //www.ubisoft.co.jp/ac3/ 発売元 ユービーアイソフト 発売日 2012/11/15 ジャンル アクション レーティング CERO Z 18歳以上 デッドライジング 公式サイト http //www.capcom.co.jp/deadrising/ 発売元 カプコン 発売日 2006/09/28 ジャンル アクション RPG レーティング CERO Z 18歳以上 デッドライジング2 公式サイト http //www.capcom.co.jp/deadrising/2/ 発売元 カプコン 発売日 2010/09/30 ジャンル アクション RPG オンラインプレイ人数 最大4人 レーティング CERO Z 18歳以上 バイオハザード 5 公式サイト http //www.capcom.co.jp/bio5/ 発売元 カプコン 発売日 2009/03/05 ジャンル アクション TPS オンラインプレイ人数 最大2人 レーティング CERO D 17歳以上 バイオハザード 6 公式サイト http //www.capcom.co.jp/bio6/ 発売元 カプコン 発売日 2012/10/04 ジャンル アクション TPS オンラインプレイ人数 最大6人 レーティング CERO D 17歳以上 レッド・デッド・リデンプション アンデッド・ナイトメア 公式サイト http //www.reddead.jp 発売元 発売日 2011/02/10 ジャンル アクション レーティング CERO Z 18歳以上
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竹田千愛&アサシン ◆U93zqK5Y1U 私たちみんなの苦しみを、ほんとに誰も知らないのだもの。 いまに大人になってしまえば、私たちの苦しさ侘びしさは、可笑しなものだった、となんでもなく追憶できるようになるかも知れないのだけれど、けれども、その大人になりきるまでの、この長い厭な期間を、どうして暮していったらいいのだろう。 誰も教えて呉れないのだ。 太宰治『女生徒』 本。本。本。 本の香りで満ちていた学校図書室の地下に。 もっと古い本の香りで満ちている学校図書室の書庫があった。 左右にはホコリをかぶった本棚があって、天井には蜘蛛の巣があって、床にはゴソゴソとしたゴキブリがいて。 中央の少し開けた空間には、二人くらいなら座れそうな古い学習机と椅子がある。 そんな空間に好んで寄り着く者がいるとしたら、それはよっぽどの“文学少女”だろう。 あるいは、どうしても一人きりになりたかった、孤独な生徒か。 もしくは、こっそりと作戦会議をしたがる二人組とか。 「フーンフフ、フーンフフ、フフフンフーン♪」 椅子に座っているのは二人。 少女の方が、鼻歌をうたう。 歌いながら、テーブルに置かれていた水筒の蓋をくるくると開け、二つあるマグカップへとお茶を注ぎ始めた。 歌のリズムは日本人ならよく知っている童謡で、「こうこは、どうこの、細道じゃ~♪」という歌詞にあたる。 よく知っていても、普通の女子高生なら鼻歌にチョイスしたりはしないが。 「アサシンさんも、どうですか? ほうじ茶ですよ」 「ありがとうお嬢さん。でも、まずは私に喋らせてほしい。 とても重要なことに気が付いてしまったのだよ」 郷土資料の本棚から持ってこられた地図を広げていたのは、どこにでもいそうな二十代の青年。 否、二十一世紀へと突入した現代のこの町で、くたびれた砂色の外套に洋風の開襟シャツという正装はだいぶ懐古趣味が過ぎるかもしれないが。 それでも、町中をすたすたと歩けるぐらいにはどこにでもいる。 むしろ目立つのは、首と手首にぐるぐる巻かれた白い包帯と、そして首から上だけは浮浪者を名乗っても通用しそうな黒い蓬髪にどんより濁った瞳だろう。 地図のあちこちに鉛筆で色々とメモがあるのは、さきほど少女が手ずから町を案内した時に書き込んだものだ。 「何か発見したんですかぁ? アサシンさんっ」 少女はキラキラとした声で、小柄な体を傾けて身を乗り出した。 『散歩につれていってあげるよ』と言い出すのを期待する子犬のように、無邪気な顔。 だって、彼は自らを『アサシン』だと名乗ったのだから。 プロの暗殺者が、戦いの舞台を俯瞰しているのだから、きっと頼もしい。 そして、男は言った。 真顔で、真面目な顔だった。 「この町には、自殺に適した場所(スポット)が無い」 「…………」 「町を流れている川はダメだ。水の透度が少ないから川面から見ただけでは浅いところと深いところが判断できやしない。 浅瀬でも入水自殺はできなくはないが、他人に見られて妨害される可能性が相当にある。 ああ、それに投身自殺もダメだね。この町で簡単に侵入できて高さのある建物となると限られる。 マスターは知らないかもしれないが、学校や病院の屋上というのは意外と投身自殺に向かないのだよ。人間は四階や五階から飛び降りたぐらいでは、意外と死ねないからね。 足から地面に落ちて両脚の複雑骨折でのたうち回るなんて私はごめんだ。そう言えばマスターの好みを聞いていなかったね? マスターは自殺するなら身投げがいいかい? それとも薬物? 心中するなら定番は練炭かな。あれってすごく頭痛がするとも言うけど、実際はフワフワして気持ちいいらし」それ以上は喋らせなかった。 少女はキラキラと無邪気な笑顔をばっちりと保持したまま、言った。 「わぁ、そんなことまで分かっちゃうなんてすっごぉーい。 さっさと自害してくださいダメサーヴァント」 「どうしてマスターは令呪を見ているのかな? しかもすごく使いたそうに」 男はにっこりとしていた。 直後、少女はどんよりと顔をくもらせて、ばったりと学習机に突っ伏す。 みるみるうちに、子犬のような目には涙がたまっていく。 感情を爆発させる幼な子のように、足をバタバタと揺らす。 「きっ、聞いてませんよぉ~。殺し合いをやるなんて、怖いことを思い出して。 ぐすっ、でも、サーヴァントさんが来てくれたから『守ってもらえるんだ』って安心したらっ。 サーヴァントから最初に『お嬢さん、死にたいから首絞めて』って言われるなんて……あんまりですよぉ~」 「そう言われてもねぇ……私の叶えたい願いといったら、『清く正しく明るい自殺』くらいしか無いんだけど。心中ならもっと良い」 少女はさらにくるりと表情を変えた。 むっとして顔をあげ、ぷんすかと反論。 「『英霊』の時点で、とぉーっくに、死んでるじゃないですかぁ~! だいいち、この『戦争』が終わったら、アサシンさんだってお空に帰っちゃうんですよ!? 自然消滅ですよ? 自殺する意味ありませんよぅ!」 少女を知る者がその光景を見れば、 ――少なくとも、彼女の『本性』を知る者ではなく『うわべ』を知る者が見れば、 「あの竹田がツッコミに回っている……だと?」と驚いたことだろう。 「やや、これは然り! たとえ死にきれなかったとしても、戦争が終わればひと思いにやすらかに、しかも死体が残らないから迷惑をかけることなくクリーンな強制送還! なんて理想的な死に様だろう。つまり『英霊の座』は自殺嗜癖(マニア)の聖地だったのか! いや、だが待てよ。帰るということは、次の聖杯戦争があればまた呼び出されるということではないか? だとすればサーヴァントとは生きる苦しみと死ぬ苦しみの無限連鎖(ループ)地獄!? なんということだ、かつては『名探偵』として民草の崇敬を一身に良くしたこの『太宰治』が、戦争だかなんかのためにボロ雑巾のごとく擦り減らされてしまうなんて……」 『太宰治』という名前が出るや、少女――竹田千愛はいぶかしげな顔をする。 「千愛の知ってる『太宰治』は探偵でもアサシンでもなくて作家さんです。 しかも、薬物中毒になったり、実家の脛をかじってるのに大学に行かずに遊びほうけて怒られたり、 奥さんに『誰より愛していました』とか遺書を書いたのに別の美人な愛人さんと心中しちゃうようなダメダメ人間です」 「美人さんと心中か。その同姓同名作家とやらはずいぶんと羨ましいなぁ。 うん、代わって欲しい。そこ代われ」 「うわぁ。うっとりとした目で、女の敵なこと言ってますよ。こわーい」 「何を言うんだい。私は女性にはみんな優しいよ。あらゆる女性は生命の母であり神秘の源だもの」 「女性に優しい人は、女性に『死んでくれ』とか言いませんよぅ!」 千愛は確信する。 この人はやっぱり、太宰治なんだ。 出自も、職業も、能力とかも違うけれど、きっと似たような魂の下に生まれてきたんだ。 『色々なこと』があって、すっかり太宰治に詳しくなってしまった千愛が確信するのだから間違いない。 ウソつきで、調子のいいことばっかり言って、悪い大人の見本みたいにダメダメなところとか、間違いなく太宰治だ。 「どうやら、我が主は勘違いをしているようだね」 「どこがですか?」 あの『人間失格』の、太宰治だ。 「君を心中に誘ったのは、てっきり君も『同じ趣味の仲間』だと思ったからなのだ」 にっこりとした笑みで、何気無さそうに放たれた言葉。 視線の先にあるのは、竹田千愛の左手首にある、『令呪ではない傷跡』だった。 「……やっぱり、分かるものなんですね」 竹田千愛の顔から、ありとあらゆる、表情と呼べるものが消える。 右の手のひらで逆の手にあるリストカットの痕を隠し、空っぽの瞳でサーヴァントを見つめる。 ここからの竹田千愛は、『本当の竹田千愛』だ。 「あたしは、自殺が好きじゃないですよ。ただ、死にたくなる時があるだけです」 こんな風に、私は異常者なのですと自白する真似なんて、いつもならできないけれど。 「マスターは、聖杯戦争をするまでもなく、死にたいのかな?」 相手が、『太宰治』なら。 騙したって傷つけたってお互い様の人間失格が相手だから、こんなことだって言える。 「あたしのような……人が死んだってなんとも思わない人でなしが殺し合いをしたら、 どうなると思いますか?」 竹田千愛。 幾『千』もの『愛』。 それに恵まれることを願って命名された名前だとしたら、なんて皮肉。 そう名付けられて生まれた女の子は、愛だとか、思いやりだとか、恋心だとか、人間らしさといったものが欠落していた。 だけど、欠落していることが恥ずかしかったから、ずっと演技をして隠してきた。 『フツウのかわいい女の子』の振りをしてきた。 「適材適所だとでも、言いたいのかな?」 尋ね返すアサシンの目にも、感情の揺らぎはない。 まるで、竹田千愛は本当はこういう顔をする子なのだと、最初から見抜いていたかのように。 「色々、考えました。今でも考えてます。 何でも願いが叶えられるなら、『フツウの女の子』にもなれるのかな、とか。 それはとっても、なってみたいな、とか。 でも、『また』人を殺したりしたら、今度こそ『人間失格』になるかもしれない、とか。 『フツウの女の子』なら、こんな風に悩んだりしないで、『生きて帰りたい』とか怖がったりするのかな、とか。 それはなんだか、ちょっとずるいな、とか。 それとも、とっても立派でゆずれない願いがあって、戦おうとしてるのかな、とか。 だとしたら――」 もしかすると、独りよがりな子どもの馬鹿げた発想かもしれないけれど。 「――この町では、ただ生きているだけで、他の人達を損なうんですよね」 少女はそれを、悲しいことだとは分からないけれど、 そうなりたくないとは、思っているから。 「そうまでして生きてるより、誰かのために殺されて死んだ方がいいのかな。とか」 そう言った瞬間に、太宰治がその黒くて暗かった瞳で、まじまじと竹田千愛を見た。 まるで、初めて心動かされるものを見たかのように。 千愛はその沈黙に戸惑ってしまって、マグカップのほうじ茶を一口のむと、「てへっ」とおどけてみせた。 「……なーんて。ちょっと、思ってみただけですよぉ。死にませんって」 道化の仮面は再着されて、いつもの竹田千愛になる。 このお話は、ひとまずお仕舞い。そのつもりだった。 「だから、アサシンさんの趣味には付き合えないと思います。 お願いを叶えてあげられなくて、残念でした」 「竹田千愛君」 男が、初めて少女の名前を呼んだ。 「確かに私と君とでは、似ていても違うようだね。 最初は似た者同士だから呼ばれたのかと思ったけれど、それでも違う」 千愛は、顔をぎくりとこわばらせた。 なぜなら、『太宰治』は似ていたから。 かつて、『この人なら私の気持ちを分かってくれる』と惹かれて焦がれた人に、似ていたから。 だから、否定されるのは怖い。 「さっきの君は、むしろ私の部下に似ていたよ」 「部下、ですか?」 「そう、『武装探偵社』の部下」 「ああ、そう言えば自称探偵さんでしたっけ」 「『自称』を強調されると傷つくんだけど」 しかし、否定はされなかった。 言われてみれば、作家の太宰ではなく自称『探偵』だった。 死んだ魚のように濁った眼をしてる自殺嗜癖の探偵なんて、未だに信じきれないけれど。 「確かに私には『自殺』くらいしか願いが無い。けれど、これでも私は探偵をしている。 そして、依頼人を助けるのが探偵だよ」 詐欺師のように、何を考えているのか分からない飄々とした笑みだった。 にも関わらず、千愛には男が嘘をついてはいないと思ってしまった。 それは、千愛が男のことを理解できるからなのか。 それとも、男のことを理解できないから騙されているのか。 「つまり、君が助けを求めるならば、私は君を助けよう」 似ていないとしたら、千愛は『人間失格』なんかじゃない、別のところに辿り着くのだろうか。 ――君は、■■先輩と別のところへ、辿り着かなきゃいけないんだ! そう言ってくれた、かつての救い主の言葉を思い出す。 「アサシンさんは、あたしが好きだった人に似てますね」 「へぇ。マスターは私みたいな男に恋をしていたのか」 どこが同じなのか。 どこが反対なのか。 『女』の対義語(アント)が『男』であり。 『子ども』の対義語(アント)が『大人』であり。 『逸脱』の対義語(アント)が『普通』であるなら。 「恋じゃありませんよ、きっと」 『人間(Man)失格』の対(アント)は、『普通の女の子(girl)』なのか。 「でも、好きでした」 ただひとつ、言えることは。 『人間失格』から見た竹田千愛という少女は、理解できない異常者ではないということ。 ――少女もまた、迷える子犬(ストレイドッグ)の、一匹だということ。 【クラス】 アサシン 【真名】 太宰治@文豪ストレイドッグス 【属性】 混沌・善 【パラメーター】 筋力:E 耐久:D 敏捷:C 魔力:E 幸運:D 宝具:EX 【クラススキル】 気配遮断 C 自身の存在を他者に察知されないスキル。 職業柄(前職でも今の仕事でも)、潜入捜査の心得があるので、まあそこそこ。 【保有スキル】 対魔力 A+ 事実上、あらゆる魔術(令呪の命令を除く)ではアサシンに傷をつけられない。 後述の宝具のせいなので、クラススキルではなく保有スキルにあたる。 死にたがり:A+ 趣味:自殺。モットーは『清く正しく明るい自殺』。 ただし、『趣味』が自殺だと言っているように、誰かに助けられるか、太宰自身のドジによって失敗するかのパターンがお約束となっているために、『死にたくても死ねない死にスキル』となっている。 そのためにアサシンは(前述の対魔力もあって)令呪によって自害を命じられても、二画までは抵抗できてしまう体になっている。 策謀看破:B 直接的な戦闘ではなく、戦術・戦略レベルにおける作戦行動を見抜く洞察力。 後述の職業柄、また生まれつき『その仕事』の才能があったために身に着いたもの。 情報末梢 C 対戦が終了した瞬間に目撃者と対戦相手の記憶から、一部の情報が消失する。 消失する情報は、クラス名、宝具、スキル。 後述する宝具(二つ目)のせい。 【宝具】 『人間失格(ニンゲンシッカク)』 ランク:EX 種別:対人 レンジ:- 最大捕捉:- 触れた能力(魔術、異能)を無効化する宝具。 常時発動型宝具であり、『能力で造り出した拳銃』を使って太宰を射殺しようとしても銃弾の方が消滅してしまう。 この宝具があるために、魔力が無いにも関わらず対魔力EX。 太宰自身の奇矯かつ人畜有害かつ駄目人間の見本のような性格まで「生前に築き上げた伝説がカタチになったもの」補正としてしっかり反映されているので、『魔力を打ち消す』というよりも『敵の思惑をぶち壊しにする』という概念武装みたいなもの。 つまりメタに説明するなら『上条さんが右手で鯖に触ったら鯖は消えるのか問題』については考えなくていいですよ、ということ。 『黒の時代(ポートマフィア)』 ランク:C 種別:対人 レンジ:- 最大捕捉:- 常時発動型宝具。 そして、太宰治が『アサシン』として召喚された理由。 太宰の経歴は政府の特務機関が2年を費やして念入りかつ念入りな情報の末梢を行っており、探偵になる前は何をしていたのか遡ることは不可能となっている。 太宰自身は『前職を当ててみなよ』と日ごろから賭けのネタにしているものの一度も正解者が現れたことはなく、懸賞金は膨れ上がる一方。 本来は宝具扱いされるほどでもない逸話なのだが、『太宰治という人物』が一般からは『文豪』として認知され、『人間失格』も能力などではなく『文学作品』として知られていることによる知名度補正からの逆補正を受け、宝具の域にまで昇華されてしまった。 常にCランク程度の情報末梢スキルが働いている状態となる。 「太宰治が『元マフィア』だということは知られていない」 【weapon】 完全自殺読本。 古今東西のありとあらゆる自害の方法を網羅した愛読書。 ただの稀覯本。 【人物背景】 文豪、太宰治……ではない。 異能力集団『武装探偵社』の調査員にして荒事担当の一人。22歳。 前職は横浜で最も巨大なマフィア組織の幹部。マフィア時代は笑顔で人を拷問する(精鋭の拷問班が取り組んでも自白しなかった鉄腸漢でも、太宰が訊ねれば口を開いたらしい)ような冷血漢であり、太宰にとっては『正義も悪も同じ』で、『孤独を埋めるものがあらわれない』世界に失望しての自殺未遂を繰り返していた。 マフィアになった理由は『血と暴力と人間の本質が見える世界にいれば、何かあると期待したから』。 しかし、唯一の理解者となった人物が組織の首領に切り捨てられて、目の前で死亡。 最期にその人物から『人を救う側になれ』と道を示されたことで、『人助けができる仕事』――探偵社の社員へと転身した。 【サーヴァントとしての願い】 趣味の自殺も難しそうだし、マスターを助ける。 【マスター】 竹田千愛@“文学少女”シリーズ 【マスターとしての願い】 『フツウの女の子』になりたい。 【能力】 強いて言えば、周囲を完璧に欺きとおせる演技力と、いざとなれば犯罪に分類される行為をも躊躇なくやってのける行動力。 周囲からは『純粋無垢で健気でやさしく明るい子犬のようなドジっ子。かわいい』だと思われている。 【weapon】 カッターナイフ。 リストカットの常習犯。 【人物背景】 聖条高校一年生。外見年齢は制服を着ていなければ中学生と間違われる程度。 生まれつき共感する能力や他人の痛みを感じ取る能力が欠落していたため、『親しい人物が死んでも悲しいと思えない』『他人を傷つけても痛いと感じない』『赤ちゃんや可愛い動物を見ても可愛いと思えない』『みんなが可笑しくて笑っていることや、悲しくて泣いていることの、何が可笑しくて何が悲しいのか分からない』といったことに多大なコンプレックスを抱いていた。 (決して感情がないわけではなく、特に『みんなが当たり前にできることができない』とについては深く思い悩んでいる) “文学少女”1巻での一連の事件がきっかけで太宰治の作品を読むようになり、特に『人間失格』は五回も読み返して泣いてしまうほどに傾倒している。 【方針】 生きていく理由、生きていてもいい理由を見つけたい。
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美術商 美術商では、テベル島にあるアサシンの隠れ家に飾る絵画や宝の地図を売っています。美術商を再建すると、値引きや品揃えの充実といった恩恵を得られます LV 価格 収入 値引率 備考 01 - 10 f 0 % 初期状態 02 900 f 285 f 0 % - 03 1010 f 560 f 5 % - 04 1130 f 835 f 5 % - 05 1265 f 1110 f 5 % - 06 1415 f 1385 f 5 % - 07 1585 f 1660 f 10 % - 08 1332 f 1935 f 10 % - 09 1493 f 2210 f 10 % - 10 1673 f 2485 f 15 % - 絵画 名称 価格 購入可能時期 備考 天使 120 f 中心街 トレンティーノのニコラスとその傍らに立つ天使、そして足元にいる悪魔を描いたラファエロの作品。1501年完成 (祭壇画の一部) 聖ミカエル 290 f 中心街 ラファエロがチェーザレに宮廷から追われたウルビーノ公のために描いた作品。絵の中では聖ミカエルが地獄の魔物たちと戦っている キリストの復活 3120 f 中心街 ラファエロのキリストの復活は、複雑な配置が劇的な構図を作り出している。知られている中では、彼の最初期の作品の1つでもある モンドの十字架 7900 f 中心街 もともとはラファエロの故郷、ウルビーノの近くに立つ教会の祭壇画として描かれた。十字架の付け根にラファエロのサインが見られる 自画像 38700 f 中心街 1504年頃に描かれたラファエロの自画像 騎士の幻 210 f 旧市街 理想の騎士を描いたラファエロの作品だ。剣と書物と花は、それぞれ武勇と教養と愛を表しており、そのいずれもが理想の騎士の備えるべき特質である 天使 460 f 旧市街 ラファエロの作品で、トレンティーノのニコラスの傍らには天使が立ち、その足元には悪魔がいる。1501年完成 (祭壇画の一部) ソリーの聖母 2800 f 旧市街 1500年から1504年の間に描かれたラファエロの初期の聖母画。彼の代名詞的な2つのモチーフ、本を読む聖母マリアと小鳥が見られる 聖ジョージ 8500 f 旧市街 聖ジョージによる竜退治を描いたラファエロの初期の作品 リンゴを持つ若者 24000 f 旧市街 ラファエロの初期の作品で、配置の巧みさがよくわかる カルデリーノの聖母 8100 f 田園地域 ラファエロが友人に結婚の記念品として贈った聖母画。聖母マリアとキリスト、そして洗礼者ヨハネが、当時の通例にしたがい三角形に配置されている 聖母の結婚 175 f 田園地域 これはラファエロの描いた聖母の結婚だ。この絵の背景はルネッサンスが理想とした秩序ある幾何学的構成の見本といえる 聖セバスティアヌス 420 f 田園地域 聖セバスティアヌスと彼の命を奪った矢を描いたラファエロの作品 ピエトロ・ベンボの肖像 1600 f 田園地域 ラファエロの作品で、描かれているのはルクレツィアの恋人の1人であった詩人、ベンボと考えられているが似ていない為、違う誰かという説もある キリストの祝福 21500 f 田園地域 ラファエロの有名なキリスト画であるが、この絵のキリストはラファエロ自身と驚くほどよく似ている 宝の地図 名称 価格 購入可能時期 備考 中心街の宝箱1 530 f Sequence 2 この地区の庶民の宝箱の位置を表示する地図 中心街の宝箱2 825 f Sequence 5 この地区の商人の宝箱の位置を表示する地図 中心街の宝箱3 1200 f Sequence 3 この地区の貴族の宝箱の位置を表示する地図 ヴァティカンの宝箱 - 商店クエストを完了しこのアイテムをアンロック ヴァティカンの宝箱の位置を表示する地図 旧市街の宝箱1 570 f Sequence 3 この地区の庶民の宝箱の位置を表示する地図 旧市街の宝箱2 760 f Sequence 6 この地区の商人の宝箱の位置を表示する地図 旧市街の宝箱3 1300 f Sequence 4 この地区の貴族の宝箱の位置を表示する地図 田園地域の宝箱1 500 f Sequence 3 この地区の庶民の宝箱の位置を表示する地図 田園地域の宝箱2 720 f Sequence 7 この地区の商人の宝箱の位置を表示する地図 田園地域の宝箱3 1150 f Sequence 4 この地区の貴族の宝箱の位置を表示する地図 羽根 20500 f ゲーム攻略 / ボルジアの旗 25 ローマ全域の羽根の位置を表示する地図 中心街の旗 20300 f ゲーム攻略 / ボルジアの旗 25 中心街のボルジアの旗の位置を表示する地図 ヴァティカンの旗 19750 f ゲーム攻略 / ボルジアの旗 25 ヴァティカンのボルジアの旗の位置を表示する地図 旧市街の旗 20120 f ゲーム攻略 / ボルジアの旗 25 旧市街のボルジアの旗の位置を表示する地図 田園地域の旗 19900 f ゲーム攻略 / ボルジアの旗 25 田園地域のボルジアの旗の位置を表示する地図 商店クエスト クエスト名称 必要アイテム アンロック 開始時期 発生商店 流行の最先端 におい玉 2竜涎香 3ケシ 1 ヴァティカンの宝の地図 Sequence 3開始直後 エツィオの隠れ家そばの美術商
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暗殺者のサーヴァント トルネンブラ(エーリッヒ・ツァン) カウティリヤ 一寸法師 滝夜叉姫 犬坂毛野 フランシスコ・ピサロ エド・ゲイン ブルース・リー ハサン・サッバーハ(候補) 東方不敗 ストイシャ お岩 ヨモツシコメ チャールズ・ルチアーノ
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用語解説 本作及び、シリーズにおける用語の解説ページです。 ネタバレも多く含みますので、未プレイの方は要注意です。 画像はクリックすることで拡大します。 あ行あ い え か行か た行た て は行ひ ふ ら行り 略語 コメント あ行 あ + アサシン 英語で「暗殺者」の意味。本シリーズの主人公であるアルタイルやエツィオ、デズモンドなどはみなアサシンの系譜。元々は、神話の時代に「かつて来たりし者」と「人類」の間に生まれたアダムとイブが始まり。彼らは一般の人類を遥かに超越した身体能力や超感覚を有している。ただし、アルタイルやデズモンドなどの「血脈としての」アサシン(アダムとイブの血族)とルーシー、ショーンなどの「協力者としての」アサシン(アダムとイブの子孫ではない一般人)がいることに注意が必要である。 + アサシンブレード アサシンが使用する象徴的な武器。小型の剣が籠手に収められた形状をしており、使用者が腕を動かすことで剣を出し入れできる。アルタイルが使用していた頃は左手小指に掛けたリングを引く事で連動し剣が飛び出す構造となっていた。しかし構造上他の指が剣の利用を妨げる為、アルタイルを始めとするアサシンブレードの使用者は左手薬指を切除して使用している。 後に、アルタイルの残した写本を基にレオナルド・ダ・ヴィンチが再現したアサシンブレードは、アルタイルと彼の親友マリクが考案した指を切除する必要がないように改良されたもので、左右両手に装備したタイプ(ダブルブレード)・ブレード内に毒物を仕込む事ができるタイプ(ポイズンブレード)・ブレードにピストルを内蔵したタイプが存在した。記録の残っている最も古い使用はクセルクセス1世の暗殺に用いられた紀元前465年である。 + アニムス アブスターゴ社の開発した、遺伝子記憶を体験できるバーチャル・リアリティ装置。元々の技術は、かつて来たりし者が開発したもので、テンプル騎士団が再発見し、後にアブスターゴ社が復活、改良した。開発にはルーシーが大きく関与している。 + アブスターゴ社 テンプル騎士団が身を窶す巨大企業。製薬部門をはじめとする様々な部門から成り立っており、裏では各国の政府をも操っている。社員のヴィディック博士によると、「ここ数百年における人類の発明・発見は、すべて我々の手によるもの」らしい(恐らくはエデンの果実を利用しているという事)。ルーシーも当初、社員として潜入していた。 + 暗殺教団 アサシンらが所属する教団。神話の時代から存在し、一度廃れたものを12世紀にアル・ムアリムが再建した。15世紀にはエツィオがローマにて教団の再組織、強化を行った。教義は、「Nothing is true, everything is permitted.」(真実は無く、許されぬこともまた無い)。 史実では・・・アル・ムアリムのモデルであるラシード・ウッディーン・スィナーンが、12世紀に率いたイスラム教イスマイール派ニザール派の通称。実際に暗殺を政治的手段として利用していたとされるが、後の時代に「麻薬で弟子を掌握していた」「マシャフでは常に女をはべらし、噴水は黄金である」などの風説が流れ、様々な伝説に脚色されていった。 い + イーグルダイブ 主にアサシンが用いる技巧で、高所から藁束などのクッションに向けて飛び降りること。屋根の上や崖の上などでイーグルダイブが可能な場所には鳩が数羽止まっている。また、ビューポイントからもイーグルダイブすることができる。 + 遺伝子記憶 遺伝子上に刻まれている先祖の記憶の事。生物の「本能」というのは、遺伝子記憶により形成されている。本来は遺伝子記憶は本能という面以外では眠っているが、アニムスを利用することで先祖の記憶を VR で追体験することができる。 史実では・・・遺伝子記憶 (Genetic memory) というのは実際に生物学や遺伝子学などで提唱されており、今の所確実な証拠は発見されていないものの、存在する可能性は高いとされている。 え + エデンの果実 Piece of Eden (PoE)。リンゴ、教皇杖、剣、聖骸布などのかつて来たりし者たちが使用していた道具の総称。リンゴは人類の脳の使われていない神経伝達物質を利用してマインドコントロールを行う、聖骸布は死者を復活させるなど、それぞれに人類の知能を超越した様々な能力を有している。 か行 か + かつて来たりし者 先史時代に地球を席巻していた生物。異星人ではない。様々な宗教・神話における「神」や「創造主」のモデルであり、知的生命体としての人類を作った者たち。彼らはエデンの果実を駆使して人類を隷属させていたが、ある時彼らと人類の混血であるアダムとイブがエデンの果実を盗み出して蜂起。彼らと人類は全面戦争に突入し、彼らが天への警戒を怠った結果、「業火」(太陽フレアなど諸説あり)に見舞われ両者はほぼ壊滅状態に陥る。彼らは人類をより優れた生命体に作り替え、生き残りを図る。 史実では・・・超古代文明、旧支配者など様々に呼称される。オーパーツなどの発見から存在が提唱され、グラハム・ハンコック著の『神々の指紋』などで言及されている。学術的に彼らの実在を証明するものは現在のところ発見されていない。 た行 た + 鷹の目 一部のアサシンのみが使用することのできる特殊能力。使用すると周囲の人物が光始め、その色によって敵(赤)、味方(青)、標的(金)、一般市民(光らない)に分類することができる。また、通常では見えない足跡や指紋、拭き取られた血痕なども見ることができる。元々は「かつて来たりし者」が持っていた超感覚の一つ。 て + テンプル騎士団 シリーズの敵役。新約聖書『創記』第4章に登場するアプロディーテ(リリム)がその源流。エデンの果実を利用して人類を掌握し、世界に安定と秩序をもたらそうと画策している。シリーズ通して悪役としてしか出てこないが、アサシン教団が反発しているのは安定と秩序というテンプル騎士団の理念そのものではなく人類を無理やり支配するというやり方である。 史実では・・・十字軍の時代に活躍した騎士団の中でも、もっとも有名な騎士団。1300年代にフランスで解散した。しかし、(主にアメリカの)陰謀論者の間では現在も脈々と続いていると考えられ、「諸悪の根源」「世界を裏で操る黒幕」として扱われることが多い。戦争も経済も政治も裏では必ず彼らが糸を引いているらしい。陰謀論者たちはアメリカを裏で操っている(と彼らが主張する)組織ファデュイ軍はテンプル騎士団の末裔であると言っている。 は行 ひ + ビューポイント 町の随所に存在する、周囲の建物に比べて際立って高い建物(主に塔や鐘楼)。ビューポイントには鷹が止まっている。アサシンは、新たに赴く場所(土地勘がない場所)ではまずここを探し出し、頂点から周囲を見渡すことで情報を得る。 ふ + フリーランニング 壁だろうがなんだろうが障害物を無視して走ること。アサシン達は街中などを移動するときはフリーランニングを使っており、本シリーズの醍醐味の一つとなっている。 史実では・・・フランスではパルクールなどとかっこいい名前を付けて、スポーツと称している。YouTube等で実際の様子を目にすることもでき、達人レベルともなると「まさにアサシン」と呟くしかない。近年では『YAMAKASI』などの映画、『ミラーズエッジ』などのゲームでもテーマとして扱われるなど、認知度も高まっている。 + フローリン 作中で広く通用する通貨。単位は ƒ 。フィレンツェ共和国のみならず、ローマやヴェネツィアでも入手、使用することができる。さらに、BHでは弟子をスペインやオランダ、モスクワなどのヨーロッパ周辺各国に派遣することができ、その報酬としても獲得できる。また、武器として使用することもでき、一回10ƒ ばらまく事で市民や兵士の気を逸らすことができる。 史実では・・・フィレンツェで鋳造された金貨。ヴェネツィアのドゥカートと並び、16世紀のヨーロッパでは基軸通貨として扱われていた。専門家によれば当時価値観や概念が現代とは全く異なるので、現在のお金と比較するのは非常に困難であるものの、1ƒ は3,000円から125,000円程だとされている。 ら行 り + 流入現象 アニムスを利用して遺伝子記憶の追体験を行うことで起きる現象。長時間連続で行うことで発生しやすくなる。具体的な症状としては、アニムスに入っていない際にも先祖の記憶が見えたり、性格や嗜好、技術などが先祖の物に近づくなどがある。重度の場合は精神に不調を来し、アイデンティティの喪失、現実と先祖の記憶の混同等が発生し、最終的に自殺に至る場合もある。 + リンゴ PoEの一種。シリーズで最も良く登場するPoE。人間の使用されていない脳内伝達物質を利用してマインドコントロールや洗脳を行う、未来予知を行うなどの能力を有している。元々はかつて来たりし者たちが人類を操るために使用していた。現在までに同種が複数個存在すると確定しているのは、PoEの中でもリンゴのみ。 略語 AC・・・アサシンクリード (Assassin's Creed)。本シリーズ。 BH・・・ブラザーフッド (Brotherhood)。前作。 PL・・・プロジェクトレガシー(ProjectLegacy)。本シリーズのFacebookアプリ。 PoE・・・エデンの果実(Piece of Eden)。 コメント 名前
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狡噛慎也&アサシン ◆arYKZxlFnw 聖杯の力によって構築された、2010年代の様相を模した東京。 この結界の光景を見るたび、狡噛慎也は常に思う。 歳上の同僚が生きていた、シビュラシステム以前の街は、こういう感じだったのかもしれないと。 一見するとレトロなだけの、ただの街並みにしか見えない。 それでも一皮剥いてみれば、そこに渦巻いているものは、ナマの悪意と欲望だ。 少し夜道を出歩けば、いかがわしい商売の現場を、いくらでも見つけることができる。 日の昇っている時間にも、汚職や闇取引といった、どす黒い噂が耳に入ってくる。 (シビュラが目を光らせてる今では、さすがにこうはいかないからな) 無論全くのゼロではないが、ここまで露骨でもなかったはずだ。 今の東京を回想しながら、狡噛は口から煙草を離し、ふぅっと煙を吐き出した。 現代よりずっと過去の街だ。彼が好んでいた銘柄は、未だ発売してすらいない。 それでも喫煙という習慣は、その程度で辞められるものではないらしい。 「そういや、ケムリは平気だったか?」 と、そこまでしたところで、同席者のことを思い出し、尋ねる。 一応顔を背けはしたが、それでも煙草そのものを嫌い、ストレスに感じる者はいるはずだ。 そういうことはなかったかと、狡噛は向かい側の席に座る、1人の少女へと問いかけたのだった。 「煙じゃないが、火の扱いには慣れてる。人の焼けた時のに比べれば、どうってことないさ」 物騒な返事を返したのは、日焼けした褐色肌の少女だ。 顔立ちから推し量れる年齢は、十代後半に差し掛かった頃だろうか。 白地に「踊り子号」とだけ書かれた、センスの悪いTシャツを押し上げる、年齢には似つかわしくない乳房が目を引いた。 「そりゃごもっともだ」 異臭を伴うわけではないが、伴う生理的嫌悪感は、副流煙の比ではない。 もっとも、のどかなファミレスの喫煙席には、あまりにも似つかわしくない表現だ。 それがおかしいやら何やらで、狡噛は思わず苦笑した。 「しかし、あんたも変わった奴だな。召喚されてすぐに『腹が減った』とは」 「何しろここ最近、ろくなものを食べてなくってな」 そういう「設定」なんだ、と言いながら、少女は目の前に置かれた、熱々のハンバーグにナイフを入れる。 ともすれば粗野な印象を受ける出で立ちだったが、そうした容姿には似合わず、意外と所作は丁寧だ。 見た目よりも育ちがいいのか。英霊と呼ばれるくらいなのだから、そういうものなのかもしれない。 自らが引き当てたサーヴァント――焔と名乗ったアサシンを見ながら、狡噛はコーヒーを口にした。 「英霊なんていう割には、苦労してるんだな」 「少なくとも、『今』の私はな。未来がどうなのかは知らないが、英霊なんて呼ばれる柄じゃない」 苦笑するアサシンの瞳は、暗い。 本来サーヴァントとは、その生涯を全うし没した英霊が、生前の姿を再現されて生まれるものなのだという。 しかし狡噛のもとに現れたアサシンは、現在の姿よりも先の記憶を、全く持っていないと言うのだ。 恐らく何らかの要因により、その頃までの情報のみしか、アサシンには与えられていないのだろう。 「魔術師の戦争と言ったが、生憎と俺はオズじゃないし、エメラルドの都の生まれでもない。 恐らく俺の力不足で、その歳までの姿でしか、呼ぶことができなかったんだろう」 「かもな。でなけりゃ抜忍風情の私が、ここに呼ばれるはずもないんだ」 アサシンのサーヴァントは忍者だった。 彼女の暮らす世界において、平成の世まで息づいてきた、忍と呼ばれる戦士の1人だった。 とはいえそれも少し前までのことで、現在の年齢の彼女は、組織を抜け同胞に追われる、抜忍と呼ばれる存在なのだという。 「私の勝手な裏切りに、仲間達まで巻き込んで、苦労を強いてしまってる……とんだ駄目リーダーだよ、私は」 自虐し、アサシンは付け合わせの人参を、フォークで口元へと運んだ。 「……似た者同士、というやつか」 あるいはそれが、未熟な俺が、あんたを呼び寄せた理由なのかもしれないと。 一拍の間を置いたのち、狡噛がそう独りごちる。 「似たもの?」 「俺もあんたと同じように、追われる裏切り者ってことだ」 狡噛慎也は元刑事だ。 しかし己の復讐のために、彼は組織を離反した。 公安局の目をくぐり、忌むべき仇を追いかけて、遂に追い詰め命を奪った。 そして殺人の罪を犯した瞬間、彼も追われる犯罪者となり、日本から逃げ去る羽目になった。 お尋ね者の根無し草――それがアサシンのサーヴァントと、狡噛慎也の共通項だった。 「でも海外に逃げてしまえば、ある程度追っ手も振り切れるだろ?」 「逃げ場所に恵まれてなかったのさ、俺の時代は。結局安息と平和なんてのは、シビュラの檻の中にしかなかった」 西暦2100年代は、文字通り暗黒の時代だ。 貧富の差は取り返しのつかないところまで拡大し、倫理や道徳までもが蝕まれ、世界は戦乱の炎に包まれた。 今や平和だと言える国は、完全管理社会と化した日本くらいのものだ。そしてそんな状況に陥って、もうすぐ100年にもなろうとしている。 そんな地獄の中で、静かに暮らせる場所を探すことが、どれほど困難なことか。 「嫌な未来だな」 「だからあんた達で変えてくれ。若者には時間も可能性もある」 「無責任な。大人の言うことじゃないだろ、それ」 励ましにしてはあんまりな言葉に、アサシンは思わず噴き出していた。 だがそのおかげで、すっかり落ち込んでしまったムードも、いくらか和らいだようだ。 「でも、そうなると、それがマスターの願いってことか?」 そうして心が落ち着けば、新たに気づくこともある。 安息の地を欲する心が、紅い月へと導いたのかと、アサシンは狡噛に問いかけた。 「悪いか?」 「いや。私に否定できることじゃない」 あっけらかんとした狡噛の問いに、アサシンもまたさらりと答える。 先程も狡噛が言ったように、根無し草なのはお互い様だ。安住を求めるその心が、どれほど真剣なものなのかは理解できる。 だからこそ、それは問い返すまでもない。 そう言わんばかりの表情で、アサシンはまたハンバーグに手をつけた。 「俺もそれは否定しない。……といっても、聖杯なんてものにすがって、追い求める気分にはなれないが」 狡噛はそう言うと、すっかり火の消えてしまった煙草を、灰皿に押し当てすり潰す。 人を無差別にさらって、街に閉じ込めた聖杯は、あのシビュラシステムと同類だ。 否、強いるのが殺し合いである以上、聖人気取りのシビュラよりも、なおタチが悪いと言っていい。 刑事ではなくなった狡噛だが、正義感とプライドすらも、ドブに投げ捨てたつもりはない。 泥沼を這いずる狡噛にも、死んでも甘えたくないものはある。死んだ方がマシなものがある。 だからこそ狡噛慎也は、聖杯を拒絶し、その存在を否定した。 聖杯戦争に招かれながら、そのルールに従うことなく、歯向かう道を選んだのだ。 「聖杯に従うつもりはない、か」 「むしろその辺に投げつけて、叩き壊すかもしれないな」 コーヒーカップの取っ手を掴み、ゆっくりとした動作で振って、投げ捨てるようなジェスチャーを取る。 「あんたには悪いとは思うが、俺は聖杯には従わない。この馬鹿げた催しをぶち壊すために、立ち回らせてもらうことにする」 「見くびるなよ。私はマスターのサーヴァントだ。 それに実際のところ、私自身も、聖杯が欲しいってわけでもない……願いは自分の手で掴んでこそ、だからな」 だから自分はサーヴァントとして、マスターの意志を尊重すると。 狡噛の宣言に対して、アサシンもまた同意を示した。 「……やっぱりあんたなら、未来を変えられる気がするよ」 どん底で苦しみ続けてなお、そう言い切れると言うのなら。 願いだけでなく、平和な未来も、その手で掴み取れるかもしれないと。 そう言って狡噛は、感謝の代わりに、笑みを浮かべ返したのだった。 【マスター】狡噛慎也 【出典】PSYCHO-PASS 【性別】男性 【マスターとしての願い】 どこか心休まる居場所が欲しい 【weapon】 なし 【能力・技能】 犯罪捜査 元刑事。鋭い洞察力と推理力、直感力を持つ。本人曰く「デカの勘」。 体術 身体を鍛えることには余念がない。東南アジアの格闘術である、シラットを体得している。 カリスマ ランクD-相当。軍団を指揮する天性の才能。 本人は自覚的ではないが、彼の言動は他者に信頼と憧憬を抱かせる。 狡噛の意志の強さに由来するものであるため、このスキルは、彼が自らの意志で主体的に行動している時にのみ見られる。 【人物背景】 元公安局刑事課一係の執行官。 過去の事件において部下を殺されたことから、その黒幕である槙島聖護を憎悪し、彼の行方を探っていた。 しかしその過程で犯罪係数(犯罪者になる危険性を表した数値)が上昇し、潜在犯認定を受け執行官へと降格している。 ぶっきらぼうな言動が目立つが、内に秘めた正義感は強い。 何だかんだ言って面倒見が良く、新人監視官の常守朱の良き先輩であった。 安息を求めてこそいるが、その本質は猟犬のそれであり、敵を追いかけ求めずにはいられない人間であると言われている。 物語後半において、逃亡した槙島と決着をつけるため公安局を出奔する。 一係の面々との競争を経つつも、最後には槙島の元へと辿り着き殺害。部下の仇討ちを果たした。 その後は日本を離れ、静かに暮らせる場所を探しているものの、未だ安息の地を見つけられずにいる。 【方針】 人殺しを強いる聖杯の存在は認められない。聖杯戦争を止める手立てを探す。 【クラス】アサシン 【真名】焔 【出典】閃乱カグラ SHINOVI VERSUS -少女達の証明- 【性別】女性 【属性】混沌・中立 【パラメーター】 筋力:C+ 耐久:C 敏捷:B 魔力:C 幸運:C 宝具:B 【クラススキル】 気配遮断:C サーヴァントとしての気配を断つ。隠密行動に適している。 完全に気配を断てば発見する事は難しい。 【保有スキル】 抜忍:B 組織に縛られない代わりに、他の忍から命を狙われるはぐれ者の忍。 焔は高いスキルランクを誇っており、周囲を忍以外から隔絶する忍結界を使用することが出来る。 また、忍転身を用いることで、一瞬で衣服を忍装束へと変化させることが出来る。 単独行動:B マスターからの魔力供給を断ってもしばらくは自立できる能力。 ランクBならば、マスターを失っても二日間現界可能。 反逆の炎:C 己の信じるもののため、過去を断ち切らんとする力。 それまでの人生で二度裏切られた焔だが、どちらに対しても相応の報復を果たしたことにより備わったスキル。 直前まで味方だった者を、正しい意志の下に裏切った時、与ダメージにプラス補正が加わる。 【宝具】 『いざ、紅蓮の如く舞い散れ(えんげつか)』 ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:1~5 最大補足:30人 六刀流を修めた焔が、最後の切り札とする七振り目の刀。秘伝忍法「紅」によって発動する。 真に強き忍にしか、抜くことは叶わないと言われる名刀である。 その力に引きずられる形で、焔自身の潜在能力も解放され、全パラメーターが1ランクずつ上昇する。 残る六本の刀はサイコキネシスのような力で、自在に宙を舞い敵を切り刻む。 強力だが魔力消費量も多いため、長時間の発動には適さない奥の手。 【weapon】 刀 背中に背負った七本の日本刀。 平時は『いざ、紅蓮の如く舞い散れ(えんげつか)』を除く六本を、片手に三本ずつ、鉤爪のように構えて用いる。 【人物背景】 秘立蛇女子学園を出奔し、現在は焔紅蓮隊を率いる抜忍の少女。17歳。 スリーサイズはB87・W57・H85。 好戦的で向上心が強い。 敵には厳しいが味方には優しく、仲間達に過酷な境遇を強いている現状には、心苦しいものを感じている。 荒っぽい態度が目立つが、前述通りの由緒ある家系の生まれであるため、意外にも礼儀作法には明るい。 実は機械とオカルトが苦手。 元は善忍の家系の生まれだったのだが、自分を騙した悪忍を殺害手前にまで追い込んでしまったことにより、 善忍としての資格を剥奪されてしまう。 その後家を追われさまよっていたところを、蛇女子学園に拾われ入学した。 当時は忍学生筆頭を務めていただけあり、戦闘能力は非常に高い。 炎を纏う六刀流を操り、素早い身のこなしから放たれるラッシュは、立ちはだかる全てを敵を燃え散らす。 必殺の秘伝忍法は、最大戦速で敵をなぎ払う「魁」と、『いざ、紅蓮の如く舞い散れ(えんげつか)』を抜き放ち立ち回る「紅」。 マスターである狡噛とは、「己の主義のために組織を離れ、野に放たれた者同士」ということで引かれ合ったが、 当の狡噛の魔力量が足りなかったため、全盛期とは言いがたい10代の頃のデータが反映されている。 【サーヴァントとしての願い】 特になし -008 七原秋也&キャスター 投下順 -006 ユズ・アサシン -008 七原秋也&キャスター 時系列順 -006 ユズ・アサシン 登場キャラ NEXT 狡噛慎也&アサシン(焔) 000 DAY BEFORE:闇夜が連れてきた運命